食材の選択は、喘息に大きく影響します。
ある食材を継続して食べた結果、発作の症状が改善できる可能性があります。
一方で、ある食材を食べたことで発作を誘発し、症状の悪化に繋がる危険性もあります。
ですので、口にする食材の選択には気をつける必要があります。
では、どういった食べ物が効果があって、逆にどの食べ物は避けたほうがいいのでしょうか?
[adt]効果がある食べ物
喘息の改善効果が期待できる食材は次の通りです。
◇銀杏
銀杏は、肺を温める、肺を強める効果があるので、喘息に効くとされています。
注意点はよく火を通してから食べる必要がある事です。
なぜなら、銀杏には中毒性にかかりやすい物質があるからです。
しかし、その物質は火に弱いため、しっかり炒ったり、茹でたりする事で減少させる事ができます。
食べ過ぎは、呼吸困難を引き起こす可能性があるため、多くても1日10個以内が目安となります。
5歳未満のお子さんであれば、はじめから食べさせないように注意が必要です。
◇ユリ根
ユリの球根です。ユリ根は糖質・タンパク質が多く、咳止めに効果があると言われています。
ユリ根はスープにすると甘さが出て美味しく食べられます。
◇黒豆
黒豆の煮汁も咳止めに効果的と言われています。
作り方は次の通りです。
①水洗いした黒豆を水を入れた鍋に一晩つけます。(黒豆100gに対して水1リットルです)
②強火で沸騰させ、沸騰後は弱火にし、20分ほど煮詰めます。
③茶こしなどを使い、煮汁を容器に移します。
保存期間は3日程度が目安です。できるだけ早めに飲みましょう。
◇大根のはちみつ漬け
大根のすりおろしと、はちみつの組み合わせです。これは咳にとても効果があると言われます。
すりおろした大根の汁にはちみつをかけて飲むといったお手軽なものです。
大根の抗菌作用、はちみつの炎症を抑える効果が最強です。
甘くて美味しく咳がおさまるため、通常の咳にも効果を発揮します。
(関連記事) 喘息の咳に『大根のはちみつ漬け』その効果と作り方
◇ブロッコリー/カリフラワー
ブロッコリーやカリフラワーに含まれる抗酸化物質『スルフォラファン』には気道の炎症を抑える効果があります。
1日1〜2カップ分食べると効果的です。
◇青のり
青のりに含まれるビタミンAは気道の粘膜(ねんまく)を強める働きがあります。
◇レンコン
レンコンには、アレルギーを抑える抗アレルギー性の効果があります。
オペラ歌手の中島啓江(なかじまけいこ)さんは喘息持ちでしたが、ある日、タクシー運転手さんから喘息の改善にレンコンを勧められたそうです。
その時からレンコンを食べ続け、発作の症状が改善したという実例もあります。
◇にんにく
にんにくには痰(たん)を取り除く効果が期待できます。
すりおろしか加熱して食べるのがお勧めです。
すりおろしは加熱に比べて匂いがキツくなる可能性が高いので、次の日外出される際は加熱して食べるほうがよいと思います。
[adsense]注意が必要な食べ物と、喘息に悪い食べ物
一方、気をつけるべき食材には次のようなものが挙げられます。
注意が必要
◇キノコ類
気道の炎症を緩和する働きがあるキノコ類は、喘息改善にお勧めとされています。
しかし、キノコ類は注意も必要です。
特定のキノコの胞子はアレルギー反応の原因となります。
石川県済生会金沢病院の小川晴彦医師のグループによると、気管支ぜんそく患者さんの約3割に、痰(たん)にキノコ胞子が含まれていたという研究結果が明らかになりました。
その胞子は、52%が”ヤケイロタケ”、7%が”スエヒロタケ”だそうです。
ですので、逆に喘息が悪化する可能性があり、必ずしもキノコが喘息にお勧めできるとは限らないのです。
喘息に悪い食べ物
◇メロン・キウイ・グレープフルーツ
これらはアレルギー誘発食品と言われており、発作の症状をおこしやすくする可能性があります。
生果物だけでなく、ジュースも避けたほうがよいです。
◇香辛料
刺激の強い香辛料(唐辛子やわさび、こしょうなど)は粘膜を傷つける恐れがあります。
発作を誘発する原因となり得るので、極力避けましょう。
◇アイスクリーム等の冷たい食べ物
アイスクリームやシャーベットには、タートラジンという着色料が入っており、発作を誘発します。
また、冷たい食べ物は気道に刺激を与える可能性があるため、十分な注意が必要です。
食材の選択
ここまで、喘息にいい食材、よくない食材について挙げましたが、必ずこうだとは言い切れません。
いいとされている食材でも人によっては、アレルギー反応がある場合もあります。
(関連記事) 喘息のアレルギー要因のアトピー型喘息と、非アトピー型喘息とは?
成分表示にも気をつけながら、アレルギー反応のおきない体に合う食材を見つけて予防改善に取り組みましょう。