喘息にかかったら、ちゃんと治るのかな?って疑問が湧いてくると思います。
もちろん適切な治療によって治癒する方もいます。
しかし、自然治癒する方は、気管支ぜんそく患者さんの場合、子どもでおよそ全体の半数、大人では1割以下だと言われています。
喘息持ちで今は完治したという方もいますが、実際のところは発作がおこらなくなっただけという場合が多いのです。
特に喘息の症状は、気道に慢性的な炎症がおきている状態ですので、炎症が治らない限りは、症状は潜伏していると言えます。
そのため、いつ再発してもおかしくありません。
また、アレルギー体質が原因で喘息を患っている方も多いため、完治ではなく症状を軽くするための治療が必要になってきます。
完治ではなく発作がおこらない状態をつくる
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喘息を完治するための治療薬は、残念ながら今のところはありません。
ですので、発作がおこらない状態を長続きさせる事が、発作の辛さを和らげることにつながります。
発作がおこらず調子がいいと、
「調子がいいから薬飲まなくても大丈夫」
「薬飲むのやめた方がいいんじゃないか」
と思う方もいるようです。
風邪などの日常でよくおきる症状では、調子が良くなったら薬を飲むのをやめますが、喘息の場合はそうもいかないようです。
医師の判断により、薬を中断する場合もありますが、その判断が難しいのが喘息の特徴でもあります。
そこで気道の炎症をコントロールすることが大切になります。
炎症をコントロールできるお薬は『吸入ステロイド薬』です。
吸入ステロイド薬には、抗炎症作用(炎症を抑える役割)があります。
そして、吸入タイプは飲み薬と違い、気道に直接投与できるので少量で済ませることができ、全身的な副作用もほとんどないと言われています。
一昔前は、ステロイドバッシングがありましたが、現在では安全性が高いことが確認されています。
また、妊婦さんや授乳期間の赤ちゃんがいる場合の自身の吸入について心配の声もあるようですが、吸入ステロイド薬は安全性が高い治療薬として用いられます。
逆にそこで治療をやめてしまうと、胎児や赤ちゃんに悪影響を及ぼす危険性があるため、お医者さんの指示通りにお薬を続けることが大切です。
(関連記事) 喘息のお薬は妊娠中でも大丈夫なの?胎児と妊婦さんは安全?
治療の期間は長い?
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初期症状ですと発作が治まっても、粘膜のむくみが回復に向かうには、2、3週間は気道を安静にする必要があります。
発作の繰り返しによって慢性的な炎症がおきている場合は、治療は長期化します。
また、コントロール不十分な状態だと、治療は長期化してしまうため、医師の治療法に従い、場合によっては治療法を変えなければならないかもしれません。
喘息をコントロールできているか、以下のセルフチェックも行ってみてください。
- この1週間で3回以上、喘息の症状(ゼーゼー、ヒューヒュー、息切れ)がありましたか?
- この1週間で家庭、職場や学校での活動が制限されるほどの呼吸障害がありましたか?
- この1週間で風邪以外の咳、息切れ、胸の苦しさで眠れないことがありましたか?
- この1週間で3回以上、発作止めを使いましたか。
慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト『http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/medical_info/presentation/201111.html』より
1つでも当てはまれば、なるべく早く主治医に相談することが大切です。
適切な治療によって薬の服用がいらないと診断される可能性も十分にあります。
まとめ
完治する可能性もありますが、全体的に見て完治する確率は高くありません。
完治は難しいとしても、発作がおこらないように環境づくりを行っていきましょう。
正しい治療を継続することで、長期間発作がおこるのを抑えられます。
特に初期症状で発見できると、それだけリスクの低下につながります。
(関連記事) 喘息の主な症状の気管支ぜんそくと咳ぜんそくの違いとは?
薬の服用、できる範囲での生活習慣の改善に取り組んでいきましょう。
そうすることで、気道も安定し改善に向かいます。