喘息を抱える患者さんの中には、台風時の低気圧や梅雨の時期に悪化するという方もいらっしゃるようです。
喘息に限らず、季節の変化によって頭痛がおきたり気分が悪くなるという方もみえると思います。
この季節や天候による体調不良のことを『天気痛』と言います。
人間には、気象の変化を感知する『気圧センサー』なるものが内耳(耳の奥)にあります。
このセンサーにより自律神経が刺激されてしまうため、痛みを感じやすくなります。
では、台風や低気圧、梅雨の時期の喘息の悪化はこれが関係するのでしょうか?
台風や低気圧での喘息
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気圧は、地面にかかる圧力です。
そして、気圧の高いところから低いところに向かって風は吹くという特性があります。
気圧が高いところでは内側から気圧の低い外側に向かって風が抜けるため、上空から空気が降りてきます。
そうすると、地面に圧がかかります。これが高気圧です。
一方、気圧の低いところ、つまり低気圧の状態は外側から内側に風が集まるため、空気が上空に向かいます。
地上の空気が上昇することにより、上空で空気が冷やされるので雲ができます。
そのため、雨が発生しやすいというわけです。
低気圧の状態だと、必然的に気温が下がります。
喘息の発作の要因に気温の変化が挙げられるので、台風や低気圧で喘息が悪化することはおこり得るのです。
特に前日よりも3℃以上気温が低くなると発作がおきやすいと言われています。
気象条件を変えることは難しいことです。
ですが、マスクを着用して冷たい空気が直接入るのを防ぐ、厚着をして寒さに備える等の対策はできます。
こういった対策で体の温度を調節することは出来ますので、気象情報を確認しながら予防しましょう。
梅雨の時期の喘息
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6月の憂鬱な出来事である梅雨の場合にも喘息は悪化しやすいのでしょうか?
台風や低気圧の時と同様に梅雨の時期も雨が降りやすいため、喘息に影響しやすくなります。
しかし、梅雨の時期の喘息悪化はそれだけが原因ではないようです。
ジメジメとした時期で人にとっては不快に感じますが、それを好み住み着く生き物がいます。
その正体はダニやカビです。
梅雨の時期は、湿度が70%を超えることも少なくないため、ダニやカビにとっては最高の環境です。
ダニやカビはアレルギーの原因でもあるので、特にアレルギー持ちの喘息患者さんにとっては、余計に喘息が誘発しやすい要因となります。
部屋の中にできるだけ生息させないためには湿度管理が大切となります。
ダニは、ソファーや寝室にある寝具など、人がよくいて湿気が溜まるところに生息しやすくなります。
また、じゅうたんに食べこぼしがあることで繁殖もしやすくなります。
カビは、キッチンや浴室など水周りを好むようです。
なので、湿度を下げて部屋を清潔に保つ事ができる対策です。
晴れた日には、換気や布団を干すことが大切です。
もちろん、お仕事で日中の天候が良い時に家にいない方も多いと思います。
少しコストはかかりますが、エアコンをドライにする、布団乾燥機を使う、除湿機を使うといった対策も有効となります。
最適な湿度は?
50%~60%の湿度を保つことが悪化の予防につながります。
湿度が高いとダニやカビの影響がありますが、逆に低すぎるもの発作に影響します。
乾燥によって気道の粘膜が荒れやすくなるためです。
梅雨の時期は50%を切ることはないとそうそうないと思いますが、下がりすぎないように心がける事も大切です。
喘息指数を表した喘息天気予報のサイトやアプリもありますので、そのような情報もぜひ活用しましょう。
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