1日の疲れを癒すお風呂での入浴。
仕事から帰って、このリラックスタイムを楽しみにされている方も多いと思います。
入浴は体を綺麗にするだけではなく、疲労回復やストレス軽減の効果がありメリットも大きいです。
しかし、入浴中や入浴後に発作がひどくなるという方もいらっしゃると思います。
入浴のメリットと注意点について見ていきましょう。
[adt]入浴のメリットと注意点
一般的に入浴には、次のようなメリットがあります。
○温熱作用
お風呂のお湯につかると体が温まり、良い効果をもたらします。
まず血管が拡がるため、血行が良くなり新陳代謝を促してくれます。
それにより、腎臓の働きも活発になり体内の不純物を排出させる作用があります。
また、筋肉のコリを緩和する効果もあります。
○水圧作用
お湯の水圧によって、体には圧がかかります。
圧力がかかるのは良くないのでは?と思いますが、病気によっては、その症状を和らげる効果があります。
特に、お腹周りにかかる水圧は、一時的に肺の大きさを縮小させます。
そうすると、空気が足らなくなるので、呼吸の回数が自然と増えます。
これは呼吸機能を高め心肺機能を強くする事に繋がるのです。
○浮力作用
お風呂につかっている時は、浮力によって体重が減少します。
プールでも同じ効果が得られますね。
日常生活では体重を支えるために、骨や筋肉には負担がかかっています。
浮力により、その負担が軽減されます。
なので、脳への刺激も減少して緊張状態から解き放たれる効果もあり、心理的に落ち着く事もできます。
これらの3つの作用が入浴によってもたらされます。
そして、浴室内には湯気の蒸気がたくさん広がりますよね。
蒸気は気道に水分を与えてくれます。
気道が乾いていると粘膜が荒れるため、発作を誘発しやすくなります。
なので、入浴によって発作をおこしにくくする効果が期待できるのです。
しかし、この蒸気が発作をおこす原因にもなる事もあります。
なぜなら、お風呂ではリラックス状態になれます。
リラックスしすぎると発作がおこる事もあるため、注意が必要です。
基本的には、発作がみられない時の入浴に制限はないようです。
もし、入浴後に頻繁に発作がおこるならば、入浴方法について変えてみる、シャワーをメインにするといった事が時には必要かと思います。
また、お子さんの場合ですと、痰(たん)が絡んで苦しい場合もあります。
入浴によって痰を出しやすくする効果もあります。
このように、発作の症状がない時には入浴する事は体にもたらすメリットは大きなものです。
[adsense]体に良い入浴方法について
喘息時の入浴で良いとされるお風呂の温度と時間には目安があります。
温度は40~42℃で、時間は2分から5分です。
先ほども述べましたが、発作の症状がないときに時間的な制限はありません。
2分って短いですし、疲れも取れないと思います。
ただ、入浴後に発作が頻繁におこるようであれば、長風呂せずに5分位つかって体を温める事も試して欲しいと思います。
温度に関しては、喘息に限らず、40~42℃は入浴するときに適正な温度とされていますので、普段からこの温度に慣れてみましょう。
熱過ぎず、ぬる過ぎずという温度です。
また、入浴後の浴室内の湿度管理も大切です。
お風呂は湿度が高いので、入浴後はドアを閉めて換気扇を回して湿気を取りカビ防止を行います。
カビがアレルゲンとなって喘息が苦しくなる事も考えられますので、面倒ですが換気は習慣にしましょうね。
そして、換気扇で湿気を取った後、ドアはどのようにされているでしょうか?
閉じている、全開きにしているという方も多いと思います。
しかし、閉じている時はもちろんの事、全開きでも空気は十分に循環しないのです。
なので、半開きや少し隙間を作る程度にドアを開くのがベストです。
これは、通り道を狭くすることで、外の空気が浴室内を上手く循環してくれます。
空気の流れ道を作るという事なんですね。
日中の外出している時は、閉めきらずに、半開きをされる事をおすすめします。
まとめ
入浴は、1日の疲れをとり、病気を緩和させる効果が期待できます。
喘息に関しては、お風呂の蒸気が気道に水分を与えてくれるため、気道を拡げて空気を通りやすくしてくれます。
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そして、発作の症状がない時には、存分にリラックスタイムを過ごしてくださいね。
ですが、もし入浴後に発作が起きるようであれば、入浴時間を短くする、シャワーをメインにするといった対応も必要になると思います。
それでも、お風呂で疲れを取ることは大切ですので、発作がでてしまうという場合は、まず短い時間にしてみて徐々に時間を延ばし、ご自身のセーフティーゾーンを見つけてくださいね。
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