喘息にはコーヒーや紅茶が効くってホント??

コーヒーの効果について

コーヒーの効果について

仕事の休憩や家事の合間、そして食後にコーヒーや紅茶を飲むひと時は幸せですよね。

リフレッシュになりますし、何よりストレス軽減につながる方もいると思います。

そのコーヒーや紅茶ですが、喘息に効果があるという話しがあります。

3時のティータイムに紅茶を飲んで喘息の症状が緩和したという方もいれば、食後にコーヒーを飲むと発作が出ないという方もいるようです。

コーヒー、紅茶が喘息に効くというのは実際のところどうなのでしょうか?

コーヒーや紅茶は喘息に効くの!?

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コーヒーや紅茶には『カフェイン』が含まれているというのは広く知られています。

その効果として、眠気覚ましになるという方もいます。

ですので、お昼寝の前にコーヒーを飲むと目覚めが良くなり、午後からの作業も集中できたり、逆に寝る前にコーヒーを飲むと寝れなくなる方もいらっしゃると思います。

これは、カフェインに覚醒作用があり、興奮状態になるためです。

そしてこのカフェインという成分、実は喘息の症状を緩和させるのに効果が期待できるようです。

カフェインには気道の炎症をしずめる働きがあります。

つまり、気管支の気道を広げる気管支拡張作用があるため、空気の通り道が広くなります。

喘息の治療に用いられる薬に気管支拡張薬がありますが、これに似た効果が期待できるというわけです。

もちろん、薬ほど強いものではありません。

事実、昔は喘息の予防薬としてコーヒーが使われていたそうです。

なぜ、予防薬として使われるほどの効果があるのでしょうか?

気管支拡張薬には、『テオフィリン』という成分が含まれています。

テオフィリンは、薬名からも分かりますが、気管支を拡張させる作用がある成分です。

この効果ってカフェインと似ていますね!

1859年、カフェインが喘息治療に効果があるというのが発見されました。

その頃にはテオフィリンは存在しませんでした。

しかしその後、茶葉からテオフィリンが抽出でき、カフェインよりも喘息に効果がある事が分かったのです。

そして、化学合成されて呼吸器系の治療にテオフィリンが使われるようになりました。

テオフィリンが治療薬として使われるようになり、製薬会社はカフェインの研究を止めました。

なので、現在カフェインが喘息治療に使われる事はないようです。

しかし、毎日カフェインを摂取する人は、喘息のリスクが低くなるという話しもあります。

さらに、効果は期待できるのには他の要因もあります。

交感神経優位になって発作を抑えられる?

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自律神経には、交感神経と副交感神経があります。

人は緊張状態にある時は交感神経優位になり、リラックス状態にある時は副交感神経優位になります。

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日中の起きている時、仕事をしている時というのは、少なからず緊張状態になっています。

その際、交感神経の方が強く働きます。

逆に、夜のお休みモードの時は、緊張もほぐれて副交感神経の方が強く働きます。

カフェインは、交感神経を優位にさせる働きがあります。

コーヒーを飲むと眠れなくなるというのは交感神経を活発にして興奮状態にさせている為です。

これを喘息と重ね合わせると、傾向が見えます。

副交感神経優位の状態で喘息の発作はおきやすくなります。

緊張状態にある時は、力が入るので筋肉が張ります。

しかし、リラックス状態の時は筋肉がゆるみます。

なので、気道を支える筋肉もリラックス状態になるとゆるむということです。

つまり、気道の粘膜もむくんで空気の通り道が狭くなります。

喘息が夜におきやすいのは副交感神経優位の状態も関係しています。

交感神経を優位にさせるカフェインを摂ることで筋肉が張り、気道の空気の通り道が拡がります。

ですので、3時のティータイムや夕食の後にカフェインを摂ると、夜の発作を緩和させる効果が期待できるのです。

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カフェインにリスクはないの?

コーヒーのリスクについて

カフェインはテオフィリンに似ているから治療に有効なのでしょうか?

しかし、喘息患者さんの中にはコーヒーを飲まないように医師から言われる方もいるようです。

これは、治療薬にテオフィリンが使われているからこそです。

テオフィリンは喘息治療に強い効果がある反面、頭痛や嘔吐などの副作用が現れる場合もあります。

カフェインを過剰に摂取しすぎるとテオフィリンの副作用がカフェインによって誘発しやすくなる可能性もあります。

また、どちらも気道を拡げる作用があるため、必要以上に気道を拡げてしまい、気管を痛める可能性もあるのです。

なので、医師によってはカフェインの摂取に関して慎重にならざるを得ないのです。

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予防には効くかもしれませんが、医師がカフェインの摂取を控えるように言うのであれば、控えるのが正しいです。

コーヒーや紅茶をよく飲む方は、医師に一度確認されてカフェインを上手に取り入れることが大切です。