心臓喘息と気管支喘息の違いは?喘鳴の症状や対処方法は?

心臓喘息について
心臓喘息について

身体に起こる不調は、ちょっとした違いでも病名が違いますよね。

喘息にも同じように「喘息」と名の付く病名がたくさん存在しています。

その喘息の中でも、ここでは「心臓喘息」について解説します。

 

ヒューヒュー、ゼーゼーという喘鳴(ぜんめい)をともなう「気管支喘息」と空咳が続く「咳喘息」。

これらの症状との鑑別(見分け方)や喘鳴について見ていきましょう。

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心臓喘息の症状や喘鳴は?

喘息と付いているので、てっきり喘息の病気だと感じてしまいますが、実は関係がない病気です。

心臓喘息は、「急性心不全」に関係があります。

心不全とは、心臓の機能が低下している状態。

つまり急性心不全は、心臓のポンプの働きが急激に低下する症状です。

 

この状態では、肺から心臓に血液を吸い上げる力がなくなります。

血液が全身に流れなくなり、肺に血液が溜まります。

その結果、酸素を十分に循環できなくなり、呼吸困難を招いてしまうのです。

 

急性心不全は、

・急性心筋梗塞

・心筋症

・心疾患

・弁膜症

などが悪化して起こると言われています。

 

その急性心不全に関係のある心臓喘息。

心臓のポンプの働きが急激に低下してしまうと、肺に血が溜まることは先ほど解説しましたね。

さらに、肺が圧迫されることによって気管支も圧迫されてしまうのです。

 

気管支が圧迫されると、空気の通り道が狭くなり、「ゼーゼー」という喘鳴が起きて呼吸困難になってしまいます。

この喘鳴の症状が、気管支喘息とそっくりなので「心臓喘息」と名付けられています。

 

心臓喘息は急性心不全の一種なので、すぐに病院で診てもらう必要があります。

では肝心な、気管支喘息との鑑別(見分け方)を次に解説します。

検査

心臓喘息と気管支喘息を鑑別する方法

まず注目してほしいのは、「痰(たん)の色」です。

心臓喘息でせき込んだ時に出る痰は、ピンク色で泡のような形状をしています。

肺に溜まった血が痰に含まれて出てくるからです。

 

次に身体全体の変化を見ます。

体に血が行かないので、次のような症状が現れます。

・唇が紫色になる

・冷や汗が出る

・手足が冷たくなる

 

気管支喘息は心臓の疾患ではありません。

なので、ピンク色の痰や唇の変化は現れません。

痰の色や、唇の色を観察した時に異常を感じたら心臓喘息を疑いましょう。

 

また一概には言えませんが、発作が起こりやすい時間帯は夜間です。

(気管支喘息も昼間より夜間のほうが発作が起こりやすいと言われます)

 

昼間は立ったり座ったりの動作を繰り返し。

夜間は身体が横になった状態。

つまり、昼間に比べて心臓に戻る血流量が増えます。

そのため、肺に血液は溜まりやすく発作を誘発しやすい状態になります。

 

先ほどの注目する点をもう一度確認しますね。

・痰がピンク色で泡のような形状

・唇が紫色になる

・冷や汗が出る

・手足が冷たくなる

 

夜中にこのような症状が起きたら、気管支喘息ではなく心臓喘息を疑ってください。

すぐに病院に行くことがベストですが、夜中ですぐに行けない場合は、翌日に必ず病院で診察してもらいましょうね!

 

この時、夜寝るのがしんどいので、上半身を起こした『起座位(きざい)』の姿勢をとると負担を軽減できるかと思います。

→【関連記事】喘息が辛い時の楽な姿勢や寝方について

一時的な処置としてやってみてください。

 

起座位は心臓の位置が高くなるので、横の姿勢に比べて血流の循環を緩やかにしてくれます。

机で肘(ひじ)を着いて楽な姿勢をとるのも負担軽減になると思います。

繰り返しますが、これは一時的な処置です。

近いうちに必ず病院で診察を受けてくださいね。

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心臓喘息の原因と対処方法は?

心臓喘息の原因は、

・風邪などの感染症

・不整脈

・ストレス

・暴飲暴食

・薬の飲み忘れ

などの原因が考えられます。

 

やはり生活習慣の乱れが大きく影響してきます。

お酒、タバコはもちろんのこと、塩分が多い食生活も気をつけましょう。

 

・野菜

・海藻類

これらに含まれる食物繊維は塩分の排出を促進してくれます。

積極的に摂ることをおすすめします。

心臓喘息に襲われた時の対処方法。

・すぐに救急車を呼ぶ

・楽な姿勢(特に上半身を起こした起座位)をとらせる

・仰向けで寝るのは、呼吸困難がひどくなるので注意!!

 

最後にもう一度まとめますね。

ピンク色の痰、紫色の唇、冷や汗が出る、手足が冷たくなる。

心臓喘息はこれらの症状が現れる可能性が高いです。

 

起座位の姿勢をとれば、血流の流れを緩やかになり、少し楽になると思います。

もちろん、救急車を呼ぶことをお忘れなく!

 

もしもの時の知識としてお役に立てば幸いです。

【関連記事】喘息かな?そう感じたら何科の病院で受診すればいいの?