喘息には、風邪の後に咳だけが続く『咳喘息』と、本格的な喘息である『気管支喘息』があります。
咳喘息は、初期症状で治療を行えば、完治します。
しかし、喘息とは気づかずに放置される方も多い為、およそ3割の方が咳喘息から気管支喘息に移行すると言われています。
なので、咳喘息は気管支喘息の予兆でもあります。
この2つが喘息の主な症状ですが、喘息と名の付く症状は他にもあります。
その一つが『喘息性気管支炎』です。喘息様気管支炎とも言われます。
そもそも気管支炎とはどのような症状なのでしょうか?
気管支炎ってなに?
[adt]
気管支炎は、気管支に炎症がおこる病気です。
症状として咳や痰(たん)などが現れますが、大きく分けると『急性』と『慢性』の2つがあり症状も異なります。
○急性気管支炎
急性気管支炎は、ウイルスや細菌による感染症が原因となります。
風邪と症状が似ていますが、熱が下がっても咳が続く場合があります。
1~2週間で治る事がほとんどです。
○慢性気管支炎
慢性気管支炎は、気管支に”繰り返し”あるいは”継続的”に炎症がおきている状態です。
“今までに2年以上”あるいは”毎年3ヶ月以上”の長期にわたって痰(たん)を伴う咳が出る場合、慢性気管支炎と診断されます。
原因ははっきりとしませんが、喫煙や大気汚染によるものと考えられています。
そのため、喫煙者の割合から女性よりも男性に多いようです。
(関連記事) 喘息でもタバコが吸いたいのはメンソールが原因?喫煙と副流煙の危険性
そして、急性気管支炎から慢性気管支炎に移行することはあるのでしょうか?
実は気管支炎の”急性”と”慢性”では発症原因が異なるため、移行する事はありません。
別の病気であると考えて頂いて問題ないようです。
先ほども述べたように、慢性気管支炎の原因ははっきりとしませんが、ウイルスや細菌の感染は原因とはなりません。
しかし、もともと慢性気管支炎の症状があり、ウイルス感染によって慢性気管支炎が悪化する事はありえます。
そして、喘息性気管支炎は『急性気管支炎』の一種です。
何が違うのかと言うと、「ヒューヒュー」、「ゼーゼー」という喘鳴(ぜんめい)があるかどうかです。
喘息性気管支炎は、喘息のように喘鳴(ぜんめい)を伴うのが特徴です。
特に乳幼児は気管支が未発達で、もともと空気の通り道が狭い為に風邪をこじらせて、この喘息性気管支炎になる場合があります。
ここまで見ると、気管支炎と気管支喘息って違いがよく分かりませんよね?
具体的にどうやって診断するのかを見てみましょう。
気管支炎と気管支喘息の違いは?
[adsense]
診察の際に血液検査を行いますが、それが一つの判断材料になります。
血液検査では白血球の中の『好中球』と『好酸球』の量を調べます。
好中球は、細菌などの異物をやっつける働きがあります。
一方で好酸球は、アレルギー物質や寄生虫をやっつける働きがあります。
なので、好酸球はアレルゲンが原因となっている所に集まります。
気管支炎の主な原因はウイルス・細菌ですが、気管支喘息の主な原因はアレルゲンです。
つまり、気管支喘息のようにアレルゲンが原因で気道に炎症をおこしている所に好酸球が来て退治をします。
好酸球は通常は血管内を流れていますが、炎症がおこることによって粘膜に侵入します。
なので、好酸球は『気道の粘膜を傷つけてしまう』という恐れがあるのです。
一般的に、『好中球』が多いと”気管支炎”、『好酸球』が多いと”気管支喘息”というのが喘息の判断材料となるようです。
そのため、気管支喘息は別名『好酸球気管支炎』とも呼ばれます。
また、気管支喘息では喘鳴(ぜんめい)の症状があるのでこれも判断の一つとなります。
喘息性気管支炎のまとめ
喘息性気管支炎は、細菌やウイルス感染が原因となる『急性気管支炎』の一種です。
そして、喘息のように「ヒューヒュー」、「ゼーゼー」といった喘鳴(ぜんめい)の症状があります。
アレルゲンが原因となる場合は、『気管支喘息』と診断されると思います。
絶対的な定義はありませんので、最終的には医師の診断によって異なります。
また、喘息性気管支炎は気管支が未発達な乳幼児に多い症状となります。
(関連記事) 喘息が成人してから発症する大人ぜんそくとは?