喘息のお薬は妊娠中でも大丈夫なの?胎児と妊婦さんは安全?

妊娠中の喘息の影響について

妊娠中の喘息の影響について

女性の喘息持ちの方が心配に感じるのが子どもへの影響だと思います。

特に妊娠中の時に、大きく2つの事を不安に感じるのではないでしょうか。

・産まれてくる子どもに喘息が遺伝しないか

・喘息のお薬が胎児に影響しないか

まず遺伝に関してですが、アレルギー体質は遺伝することはありますが、喘息が遺伝する事はありません。

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ここでは、妊婦さんの体へのリスクを見ていきましょう。

妊娠中の喘息について

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妊娠24~36週で喘息の症状が悪化することがあり、37~40週で症状が軽くなるという報告があります。

しかし妊婦さん全員がそうなるわけではありません。

妊婦さんが特に気をつける事は、喘息を上手にコントロールする事です。

つまり、発作がおこらないように治療に取り組む事や環境を整える事が大切です。

では、妊娠中に胎児と妊婦さんへのリスクはあるのでしょうか?

喘息の発作がおきると、当然のことながら妊婦さんは苦しくなり、呼吸するのが辛くなります。

そうなると、酸素が十分に体に取り込めなくなります。

胎児は、母親の体から酸素をもらっているので、妊婦さんは自分と胎児の分の酸素を呼吸で取り入れることになります。

なので、喘息が悪化すると、妊婦さんだけではなく胎児にも酸素が十分に届かない可能性があります。

この影響で胎児が生まれてきた時に低体重となる可能性があります。

喘息をコントロールして酸素をしっかり確保できるようにすることはとても重要なのです。

また、妊娠して初めて喘息にかかる妊婦さんもいらっしゃいます。

妊娠によって免疫力が低下し、アレルギーやウイルス感染してしまう事が原因のようです。

妊娠中は特に旦那さんの協力は心強いものとなります。

妊婦さんの体を気遣いストレスを緩和してあげる事や部屋を清潔に保つ等が大切だと思います。

一方で、妊婦さん自身がお薬を使うことは、胎児に影響しないのでしょうか?

お薬を使っても大丈夫

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喘息のお薬を服用していると、この薬が子どもに影響したらどうしよう。。。と考えてしまい、自分の判断で薬を止めてしまう妊婦さんは多いようです。

しかし、妊婦さんでも喘息薬は必要です。

むしろ服用するのをやめる事のほうが危険なのです。

それは、先ほども述べたように発作の症状を上手に抑えれないと、胎児に酸素が十分に届かない可能性があるからです。

ですので、妊娠中も医師の言う通りにお薬を服用する事は大切な治療になります。

けれど、薬名である”ステロイド”と聞くと、やはり心配ですよね。

実際に副作用の心配はないのでしょうか?

喘息のお薬には、飲み薬よりも吸入薬が使われることが多いと思います。

霧状に薬を噴射させ吸い込むことで、気管支に直接届きます。

吸入ステロイド薬は気管支だけに効きます。

そして、薬が全身を回る量は少ないので、他の臓器に影響を与えることはほとんどありません。

また、微量のステロイド薬は血液中に流れるのですが、そのほとんどは肝臓や腎臓で分解されて排泄されます。

飲み薬の場合は血液に流れて全身に回ります。

飲み薬は吸入薬に比べて副作用のリスクは増しますが、危険なものではありません。

ですが、それが証明されているわけではないので、吸入薬が一般的になっているようです。

飲み薬を服用する場合も、必要な最低限の量を処方されます。

また、赤ちゃんが産まれた後は母乳が必要になりますが、飲み薬が母乳に行き渡るには服用してから2~3時間後と言われています。

なので、服用後すぐに授乳すれば安全性は高くなります。

このように、喘息のお薬は胎児と妊婦さんへの副作用のリスクはとても低いです。

妊娠中も医師が積極的にお薬を使った治療を行うのも、このようなデータがあるからだと思われます。

まとめ

妊娠中のリスクについて

妊婦さんで、ご自身の判断でお薬を止めてしまう方は多いようです。

しかし、お薬を止めて発作がおこることのほうが危険です。

呼吸が苦しいと酸素を十分に取り入れられず、胎児にも影響してしまいます。

吸入ステロイド薬は安全性が高いので、副作用のリスクは低くなります。

ですから、喘息の治療は妊娠中であっても積極的に治療を行うことが大切です。

そして、妊娠中は生活環境も変化しストレスも溜まりやすいので、旦那さんの協力も必要です。

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一番大事なのは、やはりお薬を勝手に止めてはいけないという事ですので、医師がストップを出さない限りは、普段から服用をして発作が出ないようにしましょうね。